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008




見開いた視界いっぱいに広がるのは男の顔。
そしてその向こうにはなぜか天井が広がっていて。
一護の部屋にある傘に皹の入った安っぽい照明とは違い,そこには丸い真っ白なシーリングライトがつけられていた。
古びた天井とそのギャップにほんの一瞬意識を攫われていると,身体の中心に衝撃を感じた。


「…ッ!」


痛み,ではない。
敢えて云うならそれは熱。


ジーンズの股間を,男が掴んでいた。


「な,なにすんだアンタ…!」
「勃ってますねぇ」
「たっ…!よ,余計なお世話だ!離せッ」
「でもほら,苦しそうだし」
「苦しくねぇし!つかそれすっげ余計なお世話だし!」
「でも若いうちから溜め込むのはよくないですよー」


駄々を捏ねる子どもをあやすような声音で云いながら男はやわやわと指を蠢かす。
張り詰めたそこを揉み解すような指の動きに,一護は疼きを感じて思わず腰が引けてしまう。
けれども男は一護が逃げを打つのを許さず,腰を抱きすくめるようにして押さえつける。


「ちょ…,ほんとマジヤバイって!離せ。離してくれ!」


男の腕から逃れようとして足をばたつかせると,踵がラグの上を滑る。
しかしどれだけもがいても男の拘束は緩まず,それどころかジーンズのスナップ・ボタンを外されて下着越しに触れられてしまった。


「◎×■*△!!」
「あぁ…大変だ,コレ」


長い指が屹立した輪郭をなぞるように動くと一護は顔をぶんぶんと横に振って声にならない声を上げた。


一体何がどうして。
俺が何をしたんだ。なんでこんなことになってんだ…!


加えられる刺激に確かに反応する身体が恨めしく叶うことなら殴り飛ばしてやりたかった。
しかし殴るのならこの男だろう。
何を考えて,何を考えて自分にこんな…!


「…ぁあッ」


括れから先端に向けて三本の指で引っ掻くようにされて思わず声が漏れた。
あまりの羞恥に顔全体がどくどくと脈打つような心地がした。
男の手を引き剥がそうと手を伸ばすと,逆にそれをひとつに纏められ,頭の上に縫い付けられてしまう。











(2009.01.27)
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