re;





///004///



不法に停められた車が狙撃され炎上しているとの国連からの通報で現場に急行する三人。
防爆服に身を包んだ浦原が近づき,消火器で消火。トランクを開けようとするが錠が熱でイカれて開かない。
数発蹴りつけると漸く外れた。
燻された匂いに顔を顰めながら蓋を開けるとトランクの中にはぎっしりと爆弾が。浦原は思わず口笛を吹いた。
ひぃ,ふぅ,み。
声には出さず唇だけを動かしてその数を数え,そしておもむろに防爆服を脱ぎ出した。
周囲へ警戒の目を向けながらそれを見た黒崎は舌打ちをしながら無線のマイクを口元に寄せた。

「何やってんだお前」
「あの中ね,笑えるくらいすっごい爆弾の山。こんなモノ着てても役に立ちきゃしません。どうせ死ぬなら気持ちよく死にたいなって。それより道具が要ります。持ってきて」

ヘッドセットのみを装着し,聴診器を使い爆弾の様子を見る浦原。

「うわ,見事にコードだらけっスね。ええと…まずは電気コード」

口にマグライトを咥え,手元を照らしながら次々にコードを切っていく。

「起爆装置はどこかなっと」

トランクから離れ後部座席へ。
ドアを開け車の中へと半身を入れ,座席の下など探るも起爆装置は見つからず。

「後部座席にはないみたい。多分ね」

ひとりごとを云いながらナイフを使ってシートを剥いでいく。
運転席へ移動。同じようにシートを剥ぐが,起爆装置は見つからず。
ドアを剥がし,床を捜索。見つからず。

「前にもないっスね」

ぼやく浦原の声がヘッドフォンから聞こえ,黒崎は銃を構えたままマイクに応じた。

「車内にないなら床下だろ」
「床下にはワイヤーが行ってません。車内のどこかにあるはずなんだけど」

爆弾から伸びるワイヤーを辿る浦原。
外で護衛に当たる白崎から黒崎へ無線。

「一護,ビデオカメラ持ってる男見えるか」
「どこだ」
「十二時の方向」
「見えない。……見えた」
「怪しいんだけど」
「だな。油断するな」
「どうする?」
「……自分で判断しろ」
「ちょう撮ってんだけど。マジ撃っていい?」
「撮ってるだけなら撃つ理由にはならねえ。それくらいわかってんだろ」

車内の浦原は手にとったワイヤの束を見下ろしため息を吐いていた。

「…またワイヤー」

云いながら辿るが,どこにも繋がっていない。

「ダミー仕掛けるなんて随分と暇っスね」

運転席に戻ると,黒崎から無線。

「浦原,そっちはどうだ」
「最高にご機嫌っスよ」
「お前の機嫌なんて聞いてねえ。状況は。時間がかかりすぎだ。そろそろ退散するぞ」

マグライトの明かりでカーラジオの下を照らす浦原。そこに電源装置を見つけた。

「人が集まってきたぞ。早くしろ」
「諒解。すぐに片付けます」

通信が途切れた後,浦原は口の端を引き上げた。
――見ィつけた。
歌うように節をつけて呟き,おもむろにヘッドフォンをかなぐり捨てる。
ここからは誰にも邪魔させない。
胸の裡,ひとりごちるように零すと淡く浮かんでいた笑みが深くなった。

「わお」

口の端を歪め,工具を手にする。
慎重にコードの繋がる先を確かめ,手にした工具を握りなおした。













2012.08.15

page + + + + + +