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そうか,思ってるだけじゃ伝わらないのか。
そんな簡単なことすら失念していた。
エントロピの熱法則。
ふっと頭を過ったそれをかいつまんで教えてくれたのは他ならない目の前のこの男だった。

肌を焼く視線。
これが最後だと無言で伝えてくる。

わかってるよ。
恐い顔すんな。


「浦原」
「……」
「浦原」
「……はい」


なんで目,逸らす。
手を伸ばす。
どこに触れたらいいか,それでも躊躇。


「浦原」
「……」
「こっち向くなよ?」
「……え?」


伸ばした手で掴んだのは襟元。
そのまま引き寄せて,耳元で,小さな声で告げればいい,そう思ったのに。

気づいたら唇が重なっていた。
目を見開いた俺の目の前で,浦原も驚いていた。

突き飛ばそうと腕に力を入れたのに,背中に回された腕がそれを許してはくれなかった。
呼気を飲まれる。
代わりに吐息を含まされて。
甘さでどうにかなりそうだった。

好きだ。

云えずに終わった言葉は,思いは伝わったんだろうか。










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これのせいでバーテン消えたんだよ。まったく。。
(2005.12.09)